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再発見! 歌麿 まぼろしの≪雪≫

喜多川歌麿の肉筆画の三部作≪雪月花≫のうちの1984年から行方不明になっていた『深川の雪』が見つかり66年ぶりに公開されている。
東洋と日本の美術品約350点を有する箱根町の岡田美術館で特別展示されている。
『深川の雪』は『品川の月』『吉原の花』とともに、傑作と評される肉筆画三部作≪雪月花≫の一つ。タテ2m×ヨコ3.5mの大作で、東京・深川の料亭で遊女たちが雪見をしたり、火鉢を囲んでよもやま話に耽ったりしている総勢27人の姿が色鮮やかに描かれている。

『深川の雪』明治時代に栃木県で展示後美術商の手によってフランスにわたり、フランスの浮世絵研究家の手を転々とわたり1939年に日本人収集家長瀬武郎が日本に持ち帰り、1948年東京銀座の松坂屋の展覧会に出品された後所在不明となっていた。
2012年2月に同館副館長で古美術商の寺元晴一郎氏が国内で表紙がボロボロになった『深川の雪』を発見し、鑑定の結果、歌麿の肉筆画と判明し、修復されて今回の展示を迎えた。

特筆すべきは、巨大な画面とその構図、室内空間の大舞台、遊女たちの着物の色と文様のコンセプトが非常に圧巻である。
とにかく色彩鮮やかで、現代のCGでいえば、すぐにでも動き出しそうな気配を感じさせるほど生々しく、深川芸者たちの生き生きとしなやかであり、きびきびとした江戸深川独特の意地のようなものを感じる。

三部作の他の二作品『品川の月』『吉原の花』はそれぞれ、米ワシントンのフリーア美術館、米コネティカット州ワーズワース・アセーニアム美術館
が所蔵している。
残念ながら、今回の展示には出品されず、パネルでの紹介が悔やまれる。

淫乱齋永泉

場所;箱根町岡田美術館
日時;6月30日まで


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