芸術広場|Office I Ikegami blog

『ル−シー・リー展』–ウィーン、ロンドン、都市に生きた陶芸家〜を観て・・・。

六本木の国立新美術館で始まる「ルーシー・リー」展に行ってきました。

20世紀を代表する陶芸家。
活動の場はイギリスの近代陶芸の巨匠バーナード・リーチと並び称される存在で、
没後15年を経て、その評価はますます高まりつつあります。
ルーシー・リーの象徴的特長は”色彩と造形”と称せられるように、
“現代の青、現代の黄やピンク”を作り出し、
熔岩釉や掻き落としなどの技法と相まって生み出される千変万化のテクスチャー。
薄作りでシンプルな造形、そして独特な釉調と抽象的文様:スパイラル文、円圏文、格子文、縞文が施されている。

見るも鮮やかなる色調・色彩です。
また、焼き方にもルーシー独自の1回焼成で完成させ、
釉薬の材料が未焼成の素地の土と反応し、
釉薬と素地が融合した独特な肌合いの器が出来上がる。

釉薬も「形」の一部であり、ルーシーの釉薬は
「ブロンズ釉:二酸化マンガン+銅」
「ピンク釉:クロムピンク+錫」
「発泡釉:炭化珪素(シリコンカーバイト)」(小山耕一氏の文転載)
を中心にしていて、
かつまた色調や質感を体現している重要な要素であるようです。
ルーシーの釉薬ノートの展示もあり、

精力的に釉薬の実験に取り組んでいて、
ウィーン時代に使用された釉薬の具体的な内容を知り得る資料として、器のスケッチも入り興味深い。
また、ウェッジウッド社からの依頼でティーセットとコーヒーセットのデザインを試みたが、
定かな理由は不明であるが採用されず、今回は試作品のみが展示されていてこれまた興味深い。
必見の余地あり!!!
イギリスに渡った後、第二次世界大戦の激しさの中で、
陶器制作を続けることが難しくなった時期に生活の為に始めたボタン製作にも釉薬の知識が意外なところで発揮される。
  
ガラス製のボタンから陶製のボタンまで、ルーシーのクオリティの高さと幅広さには驚かされる。
なかなか新たなルーシー・リーの見どころです!!!

モダンデザインの思潮を色濃く反映したルーシーの作品のフォルムは、
きわめてシンプルにして清潔、そして素材と技法に密接に結びついた動感に溢れていて、
コスモポリタン的な感性と陶芸という造形の一ジャンルの本質を切り出すことに向けた情熱は、
時代や国境を越えて、多くの人たちに感銘を与え、魅了し続けています。
これも、あれも、それも、またまた必見です!!!!!


ヘドデル キドリンスキー

タグ:ルーシー・リー


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