芸術広場|Office I Ikegami blog

『語りかける風景–コロー、モネ、シスレーからピカソまで–』を観て・・・・!

日本人の憧れのヨーロッパの原風景は、この展覧会のイメージではないか・・!と思う。
時代と空間を超えて、語りかけてくる画家たちの情念・心象風景を描いた作品に感動して、
高原を吹き抜ける爽やかな風に乗って、遠い国への旅へ誘ってくれる企画展です。

風景画が誕生したのは、19世紀。
物語の背景としての「窓枠画」だったのがロマン派、自然主義、写実主義の流れのなかで、
飾らない風景そのものをテーマに描き、
印象派のように「光の効果や自然の大気」まで描く手法がこれまでの絵画様式の変革をもたらし始め、
近代化の歴史のなかでパイオニア的役割を果たしたと思われる。

マニエリスムの時代の16世紀から18世紀までの「絵画の基礎概念」は風景と人間との間には調和が必要であり、
「人物像を引き立てる最良の方法は、風景がその人物だけの為に作られたように調和させること」であった。
画家が目の前にあるものを捉えたとおりに描くことではなく、そこからモチーフを選び出し表現することでもなく、
むしろ絵空事からなる人工的な自然を新たに創りだすことであった。

18世紀末の新古典主義の時代、風景画が崇高と雄大という概念というならば、
19世紀中葉のロマン派はそこに人間の感情、精神状態、情熱、そして憂鬱まで(後で云う印象派の”光の効果や自然の大気“)付加してしまう。
自然主義の流れは、風景画を高貴なジャンルのひとつとしての発展と認め、
精神的な部分と理知的な部分に加えて自然の深い沈黙と静寂、そして驚異として捉える。
そして、19世紀後半から20世紀初頭における印象派の台頭で絵画技術革新が起こり始める。

展示構成も、テーマとして面白く、飽きさせない工夫が施され、平板に陥りやすい風景画が、特徴を捉えたジャンル分けで違った風景画が堪能できる。
特筆すべきは
1:窓からの風景、《内なる光》《後ろを向いてたたずむ女性》《野外、バルコニーの女性》
2:人物のいる風景、《女性とバラの木》《アムステルダムの孤児院の庭》《刈入れ》
3:都市の風景、《ストラスブールのグーテンベルク広場》《風景》《都市の風景》
4:水辺の風景、《海景》《ルアーブルの海の眺め》《セーヌ河畔、ロワン河畔》《暗い海》
5:田園の風景、《ルー渓谷の雷雲》《雷雨》《小さな工場》《三つの積み藁のある風景》
6:木のある風景《アンティーブの眺め》《果樹園》《赤いモスク》《サン=クルー公園》

小粒ですが・・・、「新しい風景画の見方」発見あり ・・・で必見です!!!

ヘドデル キドリンスキ


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